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BLACK ALICE / Endangered Species / 1984 元は"GYPSY"という名のオーストラリアのバンドだけど、レコーディングはシンガポールで行われ、プロデューサーの拠点だった英国でアルバムをリリースしたためNWOBHMの話題でちょくちょく出てくる人たちだ。それはともかく、このアルバムはなかなかの名作である。リキんで搾り出すように歌うボーカルの声は真剣にメタルに取り組んでます、と宣言しているかりようだし、手数の多いドラムスや聞き手のツボを刺激する術をしっているギターなどもこのアルバムをもりたてている。かれらの意気込みが伺える"Hell Has No Fury Like Rock'n Roll"を聞いて熱くなってみよう。 クサレポイント このあとボーカルは映画製作の世界へ飛び込みながらもバンド名を継承し"Son Of Steel"というサウンドトラックを残している。ギターはANGUS MCDETH、BLACK STEELとバンドを渡り歩いている。 |
BLOODGOOD / Detonation / 1987 なんでもクリスチャンメタルらしいが、「クリスチャンメタル」って、あんまり意味のないジャンルだと思うなぁ。このバンドだって、クリスチャンらしさバリバリ、ということもないだろうに。音のほうはIRON MAIDENあたりの影響下にある正統・堅実なメタルで、パワーに頼るのみならず、コーラスも器用にキメてくれている。ベーシストでリーダーの名前、Michael Bloodgoodがバンド名となっているようだ。シアトリカルな会話式の歌詞になっている"Crucify"がオススメ。 クサレポイント この人はギタリストだが、首が長いのがどうしても気になる。ライヴで見てみたい・・・。 |
HOLOSADE / Hell House / 1988 メロディがやや希薄なザクザクパワーメタル。ドラムスのスネアが軽く、ボーカルもラフに歌っているので、好き嫌いが分かれるバンドだろう。ギターのザグサク感は捨てたもんじゃないんだけど、やっぱりボーカルが全体の雰囲気を壊してしまっているような気がする。 クサレポイント ザクザクばかりじゃなくて、リードもなかなかの味をもっているギタリスト、Jack Hammerの仕事は素晴らしいのだ。 |
RAVAGE / Wrecking Ball / 1987 アメリカ・シカゴのバンドでShrapnel Recordsのアーティストだが、日本でもこのアルバムはリリースされている。Shrapnelのアーティストであるということはギタリストが目立っているバンドであるということも言えるのだが、このバンドもまたギタリストのD.D.Randの、オーソドックスながらツボを押さえたギターソロは素晴らしい。時折ジョン・サイクスをも彷彿とさせるのだ。 クサレポイント 日本でのリリースは、メタルなレコード帯の美しさでは日本一の(笑)FEMSからであった。このレコードの帯がなかなか見つからなくって、実は探しています^^;。 |
DEATHROW / Raging Steel / 1987 ドイツの名門、Noise Internationalからのリリースだが、このころのNoiseってスラッシュがかなり多い。まあ1987年という年代に期待してもいいのだが、このバンドは半分以上スラッシュに身を沈めている。ボーカルスタイルは完全にスラッシュだけど、ドラムス以外のバックの演奏はまだ良きパワーメタルのニオイを残している・・・ような気がする(笑)。てことでいきなりのスラッシュ節にメゲずに聞いていると、彼らの良さも少しずつ見えてくるかもしれない。個人的には今後はきくことがないだろうアルバムだ。 クサレポイント まあバンド名が「デス郎」ですからなぁ。良くてスラッシュ、悪くてデスメタル、てところでしょうか^^; |
FATES WARNING / Night Of Brocken / 1984 いまでこそFATES WARNINGはある程度認知されてビッグネームなバンドだけど、このデビュー作は立派なクサレメタルだと言えよう。この初代ボーカリストの爬虫類系の声質がタマらなくクサレなのだ。なかには後々このバンドのスタイルとなる、プログレメタルっぽいフレーズも出てくるのだが、1曲目の"Burried Alive"はこのバンドがストレートなメタルであった証である。この曲のためだけにでもこのアルバムを選ぶべし。 クサレポイント もちろんこちらのRoadrunner Records盤がこの作品のジャケとして知られており、よくみると相当ヒドいが、個人的には左のMetal Records盤の火あぶりジャケが、その表情などもよりクサっていると思う。ちなみにCD化にあたってはこんなつまらないジャケにされてしまいました。 |