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CLOVEN HOOF / Fighting Back / 1986

いわずと知れたNWOBHMの名バンド。しかしながらこのアルバムの前と後とではその音楽性は大きく異なる。というのも一度のボーカリストの交代を除き、オリジナルラインナップでの作品はこのアルバムがラスト。次のアルバムのリリース時にはバンド創始者のベーシスト以外、全員入れ替わるという変身(TREDEGERのメンバーが加入)を遂げ、事実上別バンドになってしまった。
  もともと彼らは各メンバーが自らをAir,Water,Fire,Earthと名乗り、スカスカながら劇的な、時にはスペイシーな展開を見せる曲を演奏していたのだ。これはもう、演奏レベルはともかくクサったWARLORDといってしまっても過言ではないだろう。で、このアルバムはそんな彼らの真骨頂的ライヴアルバム。ライヴとは言ってもオーディエンスの音を十分に拾っていないためライヴの臨場感はまるでない(笑)。まるで擬似ライヴだ。けど音はしっかり悪いのが微笑ましい。B面(ちなみにA面は「アルファサイド」、B面は「ベータサイド」と名づけられている)にはこの後のバンドの方向性を予見したのだろうか、ポップな曲も収録されている。

クサレポイント

Fireさんのステイタスは"FIRE DEMON"、Airさんは"THUNDER GOD"、Waterさんは"SEA KING"(貝殻オッパイだ!)、Earthさんは"WARRIOR"・・・てなことが書かれている裏ジャケは万人の涙を誘う。けれどしっかりと本名もかかれているのはなんだかマヌケだ。



KARRIER / Way Beyond The Night / 1985

年代はやや過ぎているが、遅れてきたNWOBHM。二本のリードギターが実に良質なハードロックを聞かせてくれる。PRAYING MANTIS、EXPORT、HERITAGE、GRAND PRIXらと同系列のメロディがつまっている。

クサレポイント

このバンドには後にRADIO MOSCOW、DANTE FOX、WILD HEARTSといったバンドで活躍するアーティストが前後して通過している。バンド自体はちっとも売れなかったのはなんとも残念なことだ。



HARDWARE / Common Time Heroes / 1984

2本のギターをフューチャーしたドイツ5人組。ジャケットやメンバーショットからイメージするほどゴリゴリなメタルではなくて、 リフ中心ながらも聞きやすいメロディラインが耳に残る。男前のボーカリストは歌声もなんだかアイドルのようにかわいいのだが、 オンチなのはマニアの期待を裏切らず、好感が持てる。

クサレポイント

しかしアルバム全部を聞いて印象的な曲がまるでないのもちと辛い。どの曲も50点ぐらいの曲なのだ・・・。



DESTRUCTOR / Maximum Destruction / 1986

ディストラクション、じゃなくてディストラクター、なのだ。ごらんのような情けないジャケットだしアメリカのアーティストだし・・・で聞いてみてびっくり、実はこいつは隠れた名盤なのだ! 80年代のメタルのパワーのよいところがギッシリとつまっている。3連の曲はズッシリと、速い曲は実にアグレッシヴでカッコよい。"Plelude In Sledge Minor Opus 7 1st Movement 〜 Maximum Destructor 〜 Destruction"と10分に渡って3曲ブッ続く真性メタルなメロディに鳥肌。全曲全身で受け止めてみよ! 捨て曲なし!

クサレポイント

長らく「私だけの名盤」だったのに(笑)、この前CD屋さんでこのアルバムがCD復刻されているのを見てしまった! 恐ろしい世になったものだ・・・。



CHAINSAW / Hell's Burnin' Up / 1986

このような人たちなので、聞く前から音がわかってしまうドイツのメタル。聞く者の期待を裏切らないダミ声ボーカルとドカスカリズムの裏に、実はメロディアスなリードを弾くギタリストの音が琴線をくすぐったりもするから聞き捨てならない。まずは首をふってメタルバカの世界にひたってみよう。

クサレポイント

このジャケットも強烈だ。コウモリがチェーンソーをもって飛んでるのだが、どういうコンセプトなんだろう。



LADY KILLER / S.T. / 1983

ジャケットはムフフながらメンバーのルックスは70年代っぽいのでハードロック未満 なバンドかと思いきや、これがなかなかバリバリのハードロックである。ボーカルもギターも とにかく元気があってよろしい。とくにB面のノリが素晴らしい。"Break Away"や""Lady Killer"は聞いておいて損はないだろう。

クサレポイント

たしかオランダのLADYには"Lady Killer"っていうシングル盤があったし、スイスのKILLERは1stアルバムが"Ladykiller"だ。ややこしいが今回紹介したのはアメリカのLADY KILLERの"Lady Killer"ってアルバムである。女殺しはどこの国でも男たちのテーマなんだろうか(笑)。