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SATROX / Heaven Sent / 1990

John Lawton型のボーカリストを要するスイスのメロディックハードのデビュー作。のびやかなボーカルは やはり聞いていてかなり気持ちいい。デビュー作でこれだけの水準なら十分合格点、この後の2ndアルバム のオープニングチューンでいきなり世界的な成功を収めるだけのことはある。メロディック派は是非一度は聞いておいたほうがよい。B面のバラードもクサったJourneyみたいでポイントは高い。ラスト曲の"Dark Side"も次作への布石といえる曲だ。

クサレポイント

しかしこのジャケットは何なのだろう。とてもメロディックとは思えない、一級品のクサレなのだ。



NO BROS / Ready For The Action / 1982

NWOBHMのニオイをプンプンふりまくオーストリアのバンドの2ndアルバム。なんといっても全曲でバックに流れるハモンドオルガンの音色はかなり心に染みる。メインはギタリストなので、ハモンド自体に攻撃的なリフやソロがあるわけではないのだけど、なぜだかじっくりと聞けてしまうのだ。もちろんそのギターもいいソロを弾いている。B面が特にオススメ。バンドは次作でさらにスケールアップし、それなりの成功を手にする。

クサレポイント

このバンドのイニシアティヴを握っていたギタリストのKlaus Schubertはその後 SCHUBERTを結成してアルバムを残したが、こちらはニューウェーヴがかったドヨンとしたハードロックになってしまっているので追いかける必要はない。



STRIKE / S.T. / 1981

イタリアのこの時代の音楽シーンがどうであったかは知らないが、見事に正統なNWOBHMの音になっている。デビュー直後のDEF LEPPARDや PRAYING MANTISのニオイがする。曲によってはKROKUSっぽいところもあるので、AC/DCとは違ったヒネリのあるタテノリが味わえる。 "Short Cut To Hell", "Fire's Goin' Higher", "Running The Race"は是非聞いておきたい曲だ。

クサレポイント

4人組のバンドなのだが、どうして全員サングラスなのだ? メンが割れてはマズいのだろうか。



VITACIT / Vzhuru Pres Ocean / 1990

栄養剤みたいなバンド名だしこのジャケなら間違いなくペラペラなクサレメタル だと思うところだが、実は超正統派パワーメタル。ザクザクとしたブ厚い2本の ギターの音は聞いていてもホントに気持ちが良いし、ミドルテンポ〜ファストな曲もかなりカッコ良い。ボーカルスタイルの違いを 無視していえばTony MooreのころのRIOTや中期JUDAS PRIEST、ACCEPTのような感じだ。 チェコではある程度名の通ったバンドのようだ。

クサレポイント

一度聞いただけで気に入ってしまったバンドだ。メンバーのGジャンに貼り付けられたワッペンが欲しくなるのだ(笑)。



GOLPE DE ESTADO / S.T. / 1986

ブラジル4人組。いやぁボーカルがヒドい(笑)。愛すべきヒドさである。唄っているというよりは大声で喋っているといった感じ。A-1、B-3以外の曲は捨て曲だし。A-1はなかなかメロディックで、それなりに輝いている。B-3は突如始まるツーバスドカスカなクサレメタルだ。中間部のクサクサメロディには笑ってしまう。一度聞いておいて損はないだろう。

クサレポイント

このレコードは笑わせてくれる。A面が33回転、B面が45回転でかけなければならない。知らないでB面を聞くとドロドロとしたサタニックメタルのようになってしまうのだ。