Ebony Records。80年代のブリティッシュ系ヘヴィメタルを愛した人であれば避けては通れないレーベルでありました。リリースしたアーティストは少ないものの、良質なアーティストを輩出し、NWOBHM末期を裏から支えていた、といっても過言ではないでしょう。
Gary Sharpeの手による暗い色を使ったドクロ戦士のイラストのジャケ、裏返せば中ほどにレザージャケットに包まれたメンバーの白黒写真、そして下には五芒星をはさんで向き合うドクロのロゴマーク。どんな音が出てくるのだろうとワクワクしたものです。
Ebony Recordsは1982年、オムニバスレコードである「Metal Fatigue」のリリースによりマイナーレーベルとしてのデビューを飾ります。以降しばらくはシングル盤とオムニバス盤をリリースし、隠れたアーテイストを発掘することに重点をおくレーベルとして活動を続けていくのでした。
しかしながらレコード本来のウリであるはずの音質は悪いものでありました。こもりがちの音はそれだけで聴く気を失うこと必至なのでした。「・・・これで音が良ければメジャーデビューも夢ではない」などと言われたアーティストもあったのです。
いかに低予算であったかは想像に難くありません。
また、Mausoleum Recordsと違って、今日に至るまでその多くのアーティストの作品は復刻CD化などされることもなく、眠ったままです。当時日本にも数多くこのレーベルのレコードが入ってきたため中古市場においては比較的入手が簡単ではありますが、このまま眠っていたのではもったいないアーティストも多くあるのです。