|
Bootlegs
Beatlesほどではないにしても、Badfinerにも数多くブートレックが存在する。最近でこそアルバムが相次いでCD化され、彼らの作品が多くの人の耳に届けられているが、それ以前は初回のオリジナルリリース以降の再発等が一切なかったため、彼らの作品といえばどんな国の正規盤でさえめったに目にすることがないレアなものだった。それゆえに、単にアルバムをコピーしただけのブートなどは数多くあったのだ。
ブートレッグの存在についてはいろいろと論議のあるところだとは思うが、ブートレッグそのものにも彼らの歴史を伺えるところがあり、とりあえず下記の作品をここで紹介したいと思う。
- Alive
- 1974年のマサチューセッツとメリーランドでのライヴCD。音質は良くない。
- Apple Daze
- オーストラリアのラジオ局でのTomのインタビューを収録したCD。曲は収録されていない。
- At The Beeb '72 / '73
- ステレオライン録りのライヴレコード。今ではこの音源はオフィシャルでリリースされている。
- Best Of Vol.3
- Dick OneとTwoとがあるベスト盤名義だが実はブート。ワーナー時代以降のアルバムとJoeyのソロアルバム、After
The Pearlから選曲。
- Better Days
- 1987年に出されたBBCライヴ音源を収めたLP。A面とB面とは別の日の収録になっている。 音質は良いほう。
- Better Days
- 二枚組CDで、一枚目がアウトテイク集、二枚目は1972年のパリ公演と1973年のロンドン公演(以上BBC音源)、1972年のカンサス公演のライヴ集。アウトテイクは充実した内容で、ここでないと聴けないものが高音質で収録されている。アップル時代のアウトテイクはわりとよくあるようだが、こちらではAirwavesアルバムでのセッションのテイクが多く、私の好きなThe
Dreamerのアウトテイクもあったりして感激モノだ。
また、亡きPeteに捧げたTomの作品、 I Won't Forget Youなる未発表曲は、あの
Without Youのニルソンのヴァージョンにそっくりなイントロで始まる印象的な曲。けれども、この曲の録音の4カ月後にはTomもまた自ら命を絶ってしまうのだ。
- Cleveland 74
- オフィシャルのDay After Dayアルバムと同じ内容になってしまったCD。しかし当然ながらリマスターされていないので比べて聴くと面白い。
- Complete Ass
- Assアルバムのオルタネイト・バージョンとアウトテイクス、デモテイクスがニ枚組CDに37曲とテンコ盛り。音質良し。
- Complete BBC Live Session
- The IveysのころのBBCライヴを中心にしたCD。ラジオ放送をレコーダーで生録りしたような音質は最悪だが、年代ものであることとThe
Iveysのライヴ、という点ではレア度は高い。
- Complete Rarelities 1 & 2
- アップル時代のアウトテイクとシングル盤のミックスの違う曲を収録したCD。音質は並、Joeyが後に加入したNatural Gasのオフィシャル曲も収録。Natural GasのアルバムはCD化されていないので貴重なものといえるだろう。
- Friday Night In Laredo
- 1979年6月15日のテキサスでのライヴ音源。オーディエンス録音だが音質はまあまあ。1曲目がフェード・インで始まるのが残念。
- Greatest Hits
- このテのブートは数多くあったワケで、つまりは単なる板起しの既発音源CD。
- Greatest
- でこちらも単なる板起しの既発音源レコード。1982年オランダ製。歌詞シート入り。
- Head First
- お蔵入りだったHead Firstアルバムの音源を完全収録したCD。ワーナー・ブラザーズ。ミックスとスタジオでのラフ・ミックス
とのダブルテイクが収録されていて、貴重なものだ。
- Head Start
- レコーディングされながらも当時リリースが見送られたHead Firstアルバムの流出モノCD。テープおこしのためのノイズ等音質に残念な点が多々ある。1972年フィラデルフィア公演も収録。
- Humming It Up !
- Head Firstアルバムからの未発音源、Straight Upアルバムのアウトテイクス、TV番組音源、Natural Gasのアルバムの音源とテンコ盛りな内容。テープおこしな音ながらまずまずの音質。
- If You Want It
- 二枚組CDで、彼らの作品のうち1stから4thまでの曲を単に寄せ集めただけのもの。日本のコレクターを意識して作られたのか、はたまた外国製とみせかけて実は日本の業者がつくったものか、「東芝EMI ¥18,800」の日本語の記載と、ディスクごとのシリアルナンバー入り。今やなんの価値もないがブートコレクターには珍品かも。
- I've Been Waiting ( NATURAL GAS )
- Joeyが参加したNatural Gasの1976年のライヴ音源でCR-R。サウンドボード音源という表記があるもののテープ起しのため少し音がフラついているのが残念。
- Kickin' Ass
- 1970年のフィラデルフィアのライヴとアセテートテイク、Assアルバムのアウトテイクで構成されたアルバム。残念ながら音質は良くない。
- Live 70 / 71
- 実際は1972年のBBCの音源を収録したCDで、音はかなりイイ。オフィシャルで発売されたBBC
In Concertと内容はダブる。
彼らはDave Masonのファンであったようで、このライヴでも彼の曲をカヴァーして演奏している。
- Lost At Ebbetts Field ( THE DODGERS )
- Tomが加入していたThe Dodgersの音源。The Dodgersのスタジオアルバムには彼は不参加だが、それ以前のBBCでのライヴには参加していて、そのときの音源が収録されている。
- Lost Treasures
- サブタイトルにあるように、当時オクラ入りだったHead Firstの音源とニューヨークでの1971年のライヴ音源とを収録したCD。サウンドボード音源のライヴは音質も良く貴重なもの。
- Maybe Tomorrow & Live In Vancouver
- 彼らのデビューアルバムとかつてアナログブートだったバンクーバーでのライヴとをひとつにしたCD。Iveys
/ Badfingerと表記されている。
- On Fire
- 1974年のアメリカ・デトロイトでのライヴと1972年のロスでのライヴCD。音質は良くない。
- Rare Tracks
- The Iveysのアルバムのコピーにシングルのミックス違いを加えたLP。すべてCD化された今となっては珍しいのはジャケットのThe Iveysのグループショットぐらい。
- Roots
- Head Firstアルバムからの音源、Straight Upアルバムでのセッション、各種テイク違いなどアウトテイクの寄せ集めCD。音は良いほうでなかなか充実した内容。
- Someday Will Be Known ( 1968 Demo Tape )
- The Iveysのころのスタジオセッションをブチ切りにして収録したCDで、31曲もの曲数になっている。The
Iveysのものということではそれなりの価値はあるだろう。ハードコレクター向きか。
- Straight Up Sessions
- 文字どおりStraight Upアルバムのアウトテイク集LP。音は悪く、今や珍しいものはない。
- Timeless
- 1972年フィラデルフィアでのライヴほかを収録したCD。音質はあまりよくない。
- Tommy's Last Stand
- Tomのソロ時代のライヴを収めたCDだが、これは泣ける! 彼はオリジナル・Badfingerのラスト作となったSay
No Moreアルバムのリリース後もライヴ活動を続けており、このアルバムは1983年9月のマサチューセッツでの彼のライヴの音源。Bob
Jackson、Tony Kayleらと共にステージに上がった彼はBadfingerの名曲を熱唱しているが、Goodfinger名義でリリースを計画していたとされるNew
Dayなども披露している。タイトルどおり、これが彼のラストステージとなったようでこの翌月、彼は自ら命を絶ってしまうのだ・・・。
- Ultimate Stereo Live Album 1 & 2
- 1972年ロンドン公演、1974年マサチューセッツ公演、1979年アメリカでの公演を収録したCD。ほとんどモノラルで、看板に偽りあり!
- Unreleased And Some Released
- アウトテイクスとミックス違いの寄せ集めLP。アップル社のプロモ放送音源とJoeyのインタビューが収録されている。
ジャケットのイラストがクールだ。
- Would The Real Badfinger Please Stand Up
- 1982年のアメリカでの3公演の音源を3枚のCDに収録。オーディエンス録音であまり良くない音。TomとBobのGoodfingerのスタジオ音源や、TomとJoeyのインタビューなども収録。
- Japan 1991
- 1991年、大手輸入レコード店の主催のもと、「Badfinger初来日!」のふれこみで行われたJoeyのBadfingerの東京でのライヴを収めたニ枚組CD。音質はまあまあ。
- ちなみにこのときの一連の来日公演、大阪でのステージでは客電後しばらくたって再度ステージに現れ、まだ帰っていなかったお客にだけLove
Me Doを演ってくれたことはあまり知られていないようだ。一人で見に行ったけど、目に焼き付けた光景は一生の宝物。
- 1976
- 元Badfingerのふたりの1976年の活動を収録したCD。TomはThe Dodgersのメンバーとして参加したBBCでのライヴを収録。ブートのLost
At Ebbetts Fieldと同じ音源のようだが音はこちらのほうがクリア。JoeyはNatural
Gasのメンバーとしてリリースしたアルバムの全曲とデモテイクを収録。
- APPLE DEMOS 1970 - 1972
- 全13曲のアウトテイク集。もう少し曲数が欲しいがこれだけの高音質なら贅沢は言えないだろう。
- SUMMERTIME FRIENDS
- 1972年8月6日のニューヨーク州バッファローの戦争記念堂でのライヴ。サマー・オブ・72・ミ
ュージック・フェスティバルと題されたステージでビリー・プレストン、エレファンツ・メモリーと共演。即興もあり、オーディエンス録音でますまずの音質だが熱いプレイが聞ける点では満点の内容。
- BADFINGER
- Magic Christian Music、No Dice、Straight Up、Ass、Badfinger、Wish You
Were Here、Airwaves、Day After Day(Live)、Head Firstの音源の全てをMP3化して一枚に収録したエゲつないもの。ロシア製で正規のものとのことだがそのへんは怪しい。何故かSTEPPENWOLFの作品も収録されている。
|